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言語、新語、ユーロパント

by on 2009/07/18

母語における「新語創造」のかたちについて、内田樹。アカデミアにおける英語の使用は、英語を母語としない人々にとっては知的なハンディとなるため、Poor English─つまり、正しさを求めない英語─をベースとしていかなければならないという主張。頷かされること度々。

これはあるビジネスマンから聞いた話だが、国際的な会議に出席する際、使用言語は英語とされているにも関わらず、それがあまりにもブロークンであるため、ネイティブ(英国人、米国人、豪州人など)だけがそれを理解できないということが実際に起きているらしい。言語とは(人類史的には)常にそのようにして変化して行くのであって、発話主体の外に「基準」となる画一的な「文法」があり、それを常に参照して発話を行わなければならない、というのは、実は非常に近代的で、人類にとってここ数百年間で初めて起こった事象なのである。

この前フィレンツェで行われたサマースクールで、とあるアイルランド人に聞いた話。現在発生しつつあると言われる言語に「ユーロパント」がある。欧州翻訳委員会で行われている発話の営みであるらしい。ウィキペディアで調べると、ある翻訳官によって提唱された言語であることが分かった。

ユーロパントの主要な特徴は、定まったルールが存在しないと言うことである。単に推奨される決まりがあるに過ぎない。これは、誰もがユーロパントをすぐに話し出せると言うことを意味するが、一方で、自分と対象となる聴衆の間でどのような語彙が共有されているかは、話者が自ら判断しなければならないということでもある。

本来的には西ヨーロッパには二つしか言語は存在しない(広義のロマンス語と広義の北欧語、英語は二つが合成してできたクレオール語である)ので、この二つの間を架橋することが問題とはなるだろうけれど、本来言語に定まったルールなど存在しないのであって、話者の発話実践が反復されることによって、一応の秩序らしきものが発生してくるというのが正しい理解の仕方なのだろう。

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From → Memo

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