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イランで起こっているのはクーデターだ

by on 2009/06/15

イランでは「クーデターが起こっている」。Leiter Reports: A Philosophy Blog: The Coup d’Etat in Iran はそう主張する。ニューヨーク大学の Farid Masrour による文だ。現在イランで発生している事件は明らかな不正選挙であるようだ。この状況を日本人にも知って貰うため、以上の記事を邦訳する。全ての人々の関心が高まり、更なる報道及び議論が行われることを期待している。

憂国のイラン人たちが即時の行動を呼びかける

イランでクーデターが起こっている。

今回の選挙における異常な投票率(有権者の85%が投票)から、政治アナリストは選挙結果が大きな変化を要請するだろうと予測した。

にもかかわらず、公式の選挙結果はアフマディネジャド氏に2400万票が投じられたとしている。かなり競争の激しい選挙であった2005年選挙におけるアフマディネジャド氏の得票数は1700万。人気のない外交政策、抑圧的戦術や女性の人権の軽視、人種的・宗教的マイノリティに対する扱い、内部からも批判の声が多経済政策などによって彼の得票数は大きく減るはずであった。前回から800万以上得票が増えるなどと云うことは、単純に信じることができない。

政府発表によれば、アフマディネジャド氏の主要な的であるムサビ氏(Mir-Hossein Mousavi。ムーサヴィー氏が発音に則す表記)は1300万票を獲得したという。この結果は様々な理由からショッキングだ。選挙活動期間中、ムサビ氏は改革派の元大統領ハタミ氏─ムサビ氏に席を譲って出馬を辞退した─の公的な支持を取り付けた。ハタミ氏は2回連続で2000万以上の票を獲得している。また、ほぼ全ての改革派グループがムサビ氏支持を表明し、他の改革派はキャッルービー氏側についた。アフマディネジャド氏の政策に不満を覚えている保守派の一部が、改革派との伝統的な対立を無視してムサビ氏を支持したという数多くの証拠もある。そして、今まで選挙をボイコットしていた数多くのイラン人たちが今回の選挙で初めて投票することを選んだという事実がある。特に、以前投票のボイコットを主張していた著名な人物の数多くが自らムサビ氏またはカルビ氏に投票すると宣言していた。これら全ての証拠が示しているのは、ムサビ氏は記録的な得票数を─ハタミ氏が1997年や2001年に得たものよりも多くの票を─この度誇ったはずだと云うことだ。政府発表による1300万という数字は、どれだけ低く見積もっても出てこないはずのものである。

もう一人の改革派であるカルビ氏(Mehdi Karroubi。キャッルービー氏が発音に則す)は、進歩的な政策をベースにしていた。彼は、イラン市民の民主的な権利や女性の人権を守るための憲法改正を主張している─ヴェール強制の停止、人種的及び宗教的マイノリティの権利の主張などだ。カルビ氏は元ハタミ内閣閣僚や数多くの著名な僧、女性運動のメンバーや人種的・宗教的マイノリティの代表、そしてイラン最大の大学生組織などの支持を獲得していた。政府発表によるカルビ氏の得票数、30万票─これは明らかにおかしい数字である。この数字は彼自身が執筆する新聞の発行部数よりも低く、全てのアンケートから予測される数字とも食い違っており、2005年にこの候補が得た票数の約 1/20 である─この年、彼は第一回投票でアフマディネジャド氏よりも60万票だけ少なかっただけなのだ。ここから予測されることは何か。政府発表の数字は偽造されている─恐らくイラン輿論におけるカルビ氏の不人気さを強調するために。

加えて、アフマディネジャド氏陣営による組織的・計画的な選挙結果の偽造を強く示唆する数多くの証拠がある。第一。イラン憲法によれば選挙を監視する公式の主体は監督者評議会(Guardian Council)であるが、ここ数回の選挙における評議会の中立性はきわめて疑わしいものである。評議会は12人の法学者によって構成されているが、彼らはアフマディネジャド氏を強く公式に支持するイラン最高指導者ハメネイ氏によって選ばれている。さらに、選挙の数日前に漏洩し広く読まれたある手紙の中で、イランの高僧の一人であるアーヤトッラー・メスバーフ・ヤズディーは「イスラーム共和国が危機にさらされているとき、選挙結果の操作は推奨されるだけでなく良きムスリムにとっての義務である」とまで主張した。

ヤズディーが推奨したとおりに物事が行われたという証拠もある。内務省(Interior Ministry)の職員によって選挙の一週間前に書かれた公開書簡によれば、省高官が選挙結果を操作しようとしていると危機感を表している。さらに、数多くの公式な記録が明らかにしているのは、二人の改革派候補は、組織的に、幾度も投票日に投票所にいることを妨害されたということである。イラン法では、全候補が全ての投票所に代理人を於いて投票及び開票のプロセスを監視することを許されている。これが行われなかったということは、法によって保証されている選挙の合法性が失われていたということである。

最後に、二つある軍のうちの一つであるイスラーム革命防衛隊は、公式な声明の中で、ムサビ氏とカルビ氏を、「東中欧や中亜で行われた〈色の革命〉を模し、革命によってイスラーム共和国を転覆させようとした」として告発し、そのような運動は革命防衛隊によって暴力的に鎮圧されるであろうと宣言した。これら全ての証拠は、選挙結果を改竄するだけでなく脅迫的及び暴力的手段でもって人民の反感を押さえつけようとする組織的な策略の存在を示唆している。

そして、この策略は実行に移されたのだ。6月11日木曜日、選挙前夜の事である。中央政府によって全ての SMS サービス(訳注:日本でいう携帯メール)は遮断された。ここ数年で政治的コミュニケーションの主要な手段と化したテキスト・メッセージングは、今日に至るまで停止されたままである。ペルシャ語 BBC 放送も同じく視聴不可能になった。BBC の高官によれば、正体不明の電波発生源が BBC 放送と同一周波数のノイズを発生させており、放送が電波妨害されているという。選挙当日、「投票用紙の不足」により数多くの人々が投票の断念を余儀なくされた。テヘランにあるムサビ氏の選挙対策本部は選挙当日の晩、アフマディネジャド氏の敗北が明確になったため攻撃された。

内務省と関連のあるソースによれば、政府発表の数字と実際の数字は大きく異なっている。3000万の人々が改革派に投票し、2400万人がムサビ氏を、600万人がカルビ氏を選んだ。我々が入手した情報によれば、アフマディネジャド氏の得票数は1000万程度だということである。今日に至るまで改革派候補二名は選挙結果を認めておらず、与党の行いを不法として非難している。

政府による選挙結果の発表以来、何十万人もの人々が立ち上がり、デモによって異議を申し立てている─これは盗まれた選挙を取り戻すための非組織的な抗議活動として認識されている。「独裁者を許すな」「我らの票を返せ」と彼らは叫ぶ。イランのほぼ全ての主要な都市でデモが行われている。この運動は内発的で、階級とは関係なく、明確なリーダーも持たない。外国による先導や資金提供、いかなる形での介入の証拠も見つけることができない。

100名以上の改革派と、地方及び国際的なジャーナリストが逮捕された。インターネットはまず完全に遮断されたあと一部復旧したが、BBC を含む様々なウェブサイトがブロックされたままである。

民衆による反対を予測したのか、地方警察及び機動隊が選挙結果発表の数時間前、土曜日朝に既に道々を占領していた。デモに対する行動は迅速であった。催涙ガス、胡椒スプレー、そして男女関係なく警棒が使用された。類を見ない暴力の証拠は、インターネット上で既にいくらでも見つけることができる。昨夜以降状況はさらに悪化している。警察だけではなく、政府によって資金を提供された私服民兵のグループ─革命防衛隊管下の民兵組織バシジを含む─が登場し、火器・ナイフ・なた及び手榴弾を用いてデモ鎮圧に当たっている。情報が統制されているためどれだけの暴力が既に振るわれたのか明確ではないが、イランの都市各地で銃声が響いているという様々な報告が存在している。信用できる情報源からの未確認情報によれば、午前1時過ぎ、少なくとも15名のテヘラン大学生が民兵たちによって大学寮で狙撃されたという。未確認だが大学寮襲撃による死者数は5名(男4、女1)だという。重傷者を含む400名近い学生が連行されたと報じられている。

ムサビ氏、カルビ氏及び改革派の全てのグループは今日、6月15日(月)午後四時から非暴力デモをテヘラン及びイランの全主要都市で行うことを呼びかけていた。この抗議デモはキャンセルされたかのように見える。しかし、我々が入手した情報によれば、このクーデターに対する憤怒と、政府による恥知らずな暴力は終わっていない。全ての抗議活動は違法であり深刻に取り扱われるという政府による声明と、それによって益々増大する危険にも関わらず、これからも抗議する人々は街頭にあふれ続けるだろう。選挙後の数日における人々の政府への反応と、昨夜以来の暴力の拡大を考慮すれば、これからも政府が抗議する人々を狙撃することを躊躇しないことは明らかである。数十万のイラン市民が、危機にさらされている。

よって、我々は、以下のことを要求する。

  1. 国際共同体が即座に、可能な全ての外交的手段でもってイランに介入し、大規模な殺戮を防ぐ事が最も重要である。
  2. 国際メディアは明確な論調でもってこのあからさまな不正選挙を暴かなければならない。現在これは全く行われていない。

イラン市民だけでなく、全中東地域にとって危険であり、甚大な影響を与えるような結果を防ぐため、これらの要求の流布をお願い致します。

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